ターミナルケアという分野があります。人生の最期を迎えようとしている人たちが、のこされた時間を充実したものとして暮らしてもらうための選択肢のひとつです。用語として公式に明確な定義はありませんが、末期がん患者や、その家族を対象としたケアを指す場合が多いです。患者が人生の最後を迎えようとしている時期に、医療行為ではない領域のケアも含めて何を必要としているのかを見極める事がもっとも重要です。家族やメディカルスタッフを含めた、周りの人たちに必要とされるスキルになります。
この場合のターミナルという用語は「終末」と訳されます。人生の最後にさしかかり、積極的な治療をせずのこされた時間を充実したものとして暮らしてもらうための選択肢です。本人が辛い思いをしないで済むように、身体的や精神的な辛さや苦痛をできるだけ緩和しようという方針のもと、ケアを行います。社会的、宗教的なケアも範囲に含まれることもありますが、場合によってさまざまです。ただ、一般的に病院で行う治療行為に当たるような処置や点滴、手技は含みません。
似たような表現として、緩和ケアが挙げられますが、今までに挙げた要素に加え必要に応じて治療もおこなわれる点で大きく異なります。